2009-04-08

科学の発展のために天才クローンを作ろう」という意見に内心は賛成の大学院生ってどれぐらいいるの?

大学院生の人に聞いてみたい。大学院に入ると、周りに優秀な人が多くて、皆、自分がいかに凡人であるか自覚すると思う。科学の発展のために優秀な人材を集めることも重要だけど、「天才クローンを作った方が手っ取り早い」と内心思う人は、どれぐらいいるのだろう?

だって、才能が開くかどうかわからない何千何万の原石(大学院生)の中から宝石(ScienceやNature論文を通せる人)を捜すより、既に見つかっている宝石大量生産するほうが、コスト的に安上がりで効率がいいのは、誰の目にも明らかじゃないですか。ぶっちゃけ、後、数十年すれば、大学院の運営コストよりも、天才クローンを作るコストの方が低くなると思う。そうなったら、どう対応するの?企業は、絶対、比較するよ?原石で花開くかどうかわかっていない大学院生と、既に天才であることが分かっているクローンと、どちらが適切な投資対象か。どっちを雇ったら、儲けが出そうか。

今の大学院生が生きている間に、きっと、そういう時代が来る気がする。日本アメリカ倫理問題でもめてやらないだろうけど、シンガポールなら、天才クローンを作りそうだ。

追記:

「後何十年も先の話をするなら、AIその他に賭けたほうがいい。」

という意見がありましたが・・・すみません、僕の専門はAIの一分野です。結論から言えば、数十年後には、下記の科学者ロボットのような方法で、セレンディピティ偶然による発見)を効率的に行うようなロボットは可能だと思います。ただ、論文設計など、何かを生み出す行為については、結局、人間専門家の介在が必要になると思います。それは、機械が劣っているから、ということではなくて、論文設計は、「人間の役に立つかどうか」が最終的な評価基準になるからです。「人間の役に立つもの」は人間にしか評価できないので、それを作り出すのも結局のところ人間だと思います。

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-37315620090403

また、「クローン天才が同じ能力を発揮するとは限らない」といった意見をもらいました。結論から言えば、この辺は、「実際に天才クローンを作って実験してみないと分からない」ですよね?おそらく、クローン専門家にとっても、そうだと思います。それに、生まれてきた後の教育方法の方が、クローン技術より、成功に大きく関わると思います。天才クローンを作ることは、確かに倫理的残酷ですが、凡人の世界では才能の不足によりそれより倫理的残酷なことが日常的に行われているのですから、それに比べれば、特に問題はないのではないでしょうか。学業で失敗して自殺したり、学資が滞って学業をあきらめたりすることに比べれば、天才クローンとして生まれる方が、よっぽど倫理的残酷でないと思いますけどね。

天才定義が明らかでない」という問題は、多数決で決めればよいのですから、そんなに問題ではないと思います。「天才を一人推薦してください」では語弊があると思いますが、「クローンを作るのに値する人物を推薦してください」と素直に聞けばよいでしょう。既に世の中は、そうやって投票や推薦で決まる賞であふれているわけです。「自分クローンを作る権利」が賞品としてもらえる賞を一個新設した、と思えばいいでしょう。自分イメージしているのは、数学的な天才です。テレンス・タオとかたくさん増えたら、数学が発展しそうじゃないですか。

追記2:

やはり、数学優位の分野じゃないと、否定的な意見が多いのですね。一応言っておくと、僕は東大院生です。自分の分野では、本人にいくらやる気があっても生まれ持った数学的な才能がないと、真に革新的で素晴らしいと言える業績は挙げられない、と思っています。「やる気はあるんだけど、数学がなぁ・・・」という人を、何人も見てきました。一応、自分程度の才能でもそこそこの業績は上げられそうな気がしているので、大学院にいますが。

自分も、科学全般について天才クローンを作ることにそこまで意味があるとは思っていません。分野によって、天才クローンを作ることに意味がある分野とない分野があると思います。極端な話、DNA発見者で、優生学的な発言をしているワトソン博士クローンを作っても、意味はないでしょう。彼がいなくても、別の人がいずれDNA構造発見し、今に至っていると思います。その意味で、アインシュタインの業績も、彼がいなくても他の人が同様の発見をしたと思います。当時最先端だったテンソルなどを持ち込んだのは、アインシュタイン大学時代の同級生で数学教授だったマルセルでしたしね。

ただ、数学・数理科学に関しては別です。数学才能に頼る部分がとても大きいので、天才クローンを作ることに意味があると思います。最初にこの記事を書いたとき、数学に限定しなかった僕が悪いのですが。「天才クローンを作ろう」といっておきながら、「後の教育依存する部分が大きい」というのが矛盾だという意見がありましたが、別に矛盾していないと思います。

という、至極当然のことを言っているだけです。実際に、このように考えて、教育すべき(自分時間を割いてあげるべき)学生を選んでいる(大学教員の方は多いのではないでしょうか?

端的に言って、自分意見は、「数学に関しては、天才クローンを作れば、いい業績を上げてくれると思う」というものです。もちろん、倫理的な問題はありますし、心理的な抵抗もあります。ただ、心理的な抵抗があるからといって避けていては、本当のところは分かりません。倫理的な問題・心理的な問題は置いておいて、「数学に関しては、天才クローンを作れば、いい業績を上げてくれると思う」ということが正しいかどうかのみを問うているわけです。

自分は、IQの高い人やノーベル賞学者精子を集めた精子バンクには、あまり意味がないと思っています。それは、「子供にどれだけ親の知能が引き継がれるのか」というところに大きな疑問が残りますし、仮に、その点がデータで示せたとしても、子供の知能の分散が大きくなれば、結局、「クローンを作らずに普通学生を集める」という選択肢と比較したときに採算が合わなくなります。「クローンというのは単なる年の離れた一卵性双生児だ」という意見がありますが、であるならば、一卵性双生児の間の知能の相関などの値から概算して採算があえば、この案を採用してもよいということになってしまいますよ。

追記3:

"取り敢えず、攻殻機動隊を見た方が良いんじゃないか。"という意見がありましたが、僕はアニメ版攻殻機動隊は、ほぼ全て見ています。SAC、2ndGIG、SSSと、映画GHOST IN THE SHELLイノセンスを見ています。

  • 大学院生じゃなくて投資家だけど、天才の遺伝子によって、どの程度の確率で天才的な結果を残すことの出来る研究者が生まれるかによると思う。 院生の大学院教育費用/雇用費用に比べ...

    • 既に成果を出した天才を延命させても老害が増えるだけだろうな いかに偉大な人でも、それが認められて天才だと認識されるころには 多くの人がおじいちゃんになっている 老害は科学...

      • 横だけど、俺もそう思うなぁ 老化してから、さらに何か新しい発想って、なかなか難しいんじゃないかな 成功体験が人を頑固にするって言うし。 といってクローンもねぇ。 過去の天才...

        • 逆に考えるんだ。 「あっち」という言い回しに蔑視を含めている、 そんな人たちがお互いの粗を突付きあっているだけなんだと。 自分も大阪民国だけど、そんな使い方は聞いた事すら...

        • 上に書いた投資家だけど、老害になってる天才老人と層でない老人をきちんと区別して考えてほしいな。 老害がはびこるのは制度的な問題が大きいと思うんだ。 ~賞を取った偉い~~教...

  • それだったら、優秀で要領がよく、器用な秀才をクローンで大量生産した方が、人類全体としての生産性はあがるんじゃないか?幼児期から全員一斉に詰め込み教育して、12歳頃から事務...

  • とりあえずこういうおバカな院生を進学させないのが第一だと思うぜ

  • クローン技術とかいつ実用化できるかわからないものより優秀な人同士が結婚して子供生めば済む話では?それに研究者に限らず優秀な人の子孫が増えたほうがいいだろうし、優秀でな...

    • 優秀さって言っても、金につながる優秀さと金につながらない優秀さがあるから、やはり所得再分配的な仕組みが必要だと思うぞ。

      • それ言うとジャンルの数だけ優秀な人がいることになるな。 ストリートファイター2が日本一うまい奴とか。(俺かなり自信ある)

        • 当然それはどこかで線引きする必要がある(格ゲーに対する優秀さは当然却下w)が、少なくともその線引きを単純に金稼ぐ能力にしちゃダメでしょってこと。

          • でもその線引き割れるぜー。意見が。 プロ野球選手はアリかナシかとかお笑い芸人はアリかナシかとか。

            • まぁそりゃそうだろうね。 だから金と同じに、自己組織化的に線引きを決定できるシステムを導入する必要があるだろうね。 金に直交するような別の評価軸をなるだけ自然な形で導入す...

              • その別の評価軸としてすでにあるのが「モテ」じゃない? 金がある方がモテやすいけど、あってもモテん奴はモテんし、なくてもモテる奴はモテる。 それは金との別の評価軸があるとも...

                • なんだよその頭の悪い評価軸はww 具体的には全く金にならない素粒子物理学とか研究してノーベル賞級の成果を残す人材を評価するための軸、などを探すべきという話。

        • こんなところでウメハラを見るとは!

          • そーゆー話題じゃないから、このスレ!

            • 格ゲー一流プレイヤーの凄さは「反応速度」「正確性」にもあるよね。あれは遺伝要素なんだろうか? 11フレまでならヒット確認可能、とか1フレ目押しをミスらない、とか。

              • 目の良さと反射神経がベースになってると思うから、ある程度は遺伝的な物があると思う。 トッププレイヤーは努力でなんとかなる範囲を逸脱してる気がするし。 北斗の拳のK.Iの精密機...

      • それなら基本的に優秀なら稼げるようにするべきであって闇雲に再配分しても無能にも流れるから効率悪いだろ。それに金稼ぎと優秀さが完全に比例してる必要はない。大まかな傾向で...

        • どう考えても資本主義ってそんなことできるほど優秀なシステムじゃないっしょ。 かといって代替案なんて無いけど。

          • 金に換算されない優秀さなんかほとんどないと思うが。社会のために天才を増やせと言う元増田の文脈から言って社会の多くの人に必要とされてる能力が優秀さのはず。多くの人から必...

            • 死後の評価とかはどうする? まーでもその辺は誤差っちゅうことでしょうがないかあ。 そんな完璧なシステムはできないもんな。

            • 評価が短期的すぎるだろ。それやると究極的には四半期決算で金稼げる奴以外不要、という話に絶対なる。

              • 何でそんな短期になるのかわからん。金が稼げると子孫を残しやすい社会ならば、クローン技術なしでも元増田の言うような方向になるって話の流れなんだから、数ヶ月の収入で子育て...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090408140601 もし東大数学の増田が言うことが正しいなら 生命は有性生殖を選ばなかったんじゃないかと思うんだがどうですか? 芸大でいろんな人を見てるとそう思い...

  • この、不興を買ったら「東大生です」と言うパターン。 「アイムザパニーズ」なんだろうな、といつも思う。

  • 確かに安定環境下では有性生殖よりクローン増殖のほうが強いことが多い。 変動環境下ではどうかしらないけど。 けど、コストやリスクを考えると優秀な人同士が子供を作るのをすすめ...

  • http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20090408140601 なんか書こうかと思ったら、もうdisり尽くされていた。 元増田は東大の名誉(笑)のために本当のプロフィール書いてけ。

  • http://anond.hatelabo.jp/20090408140601 って http://anond.hatelabo.jp/20090218015853 の人でしょ? ここまでバレバレだと、本当に東大生だったら本人特定されるレベルだな。 AIやってるM2もそうメチャク...

  • 国際的な賞をとった「数学の天才」を個人的にひとり知ってる。 ああいう才能が育てても出来ない、クローンつくったほうが手っ取り早い、という 元増田の意見も、なんとなくわかる。...

    • パズルオタとか、完全数探しとかに命を賭けている人の中には「普通に数学者をやっていれば数学史に影響を与えているだろうに…」といった才能の塊がゴロゴロいる… …という話を、...

  • http://anond.hatelabo.jp/20090408140601 「人間の役に立つもの」は人間にしか評価できないので これは疑問に思うのだが。そんなこと証明できたのですか? なんとなく書いただけかもしれないけ...

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