2006-12-27

[]増田における科学ニセ科学考察まとめ

久々に興味ある話題なので転載してまとめるよ。

http://anond.hatelabo.jp/20061226222936→これを【A】とするよ。

巷で蔓延するニセ科学批判。多くの人間の共感を呼んでいるが、実は問題はそう簡単なことではない。

確かに、追試により証左を求めることが出来ない科学は全て『ニセ科学』だ!

と、定義できればこれほど簡単なことはない。

実際、そのような定義が正しいとは思う。

しかし、科学者自身がニセ科学を批判するには人類が築き上げてきた科学脆弱すぎる。

科学ニセ科学を糾弾できない真の理由はを知るには『進化論』問題を見れば解るだろう。

なぜ進化論ニセ科学かは、具体的に事例を出してゆ行けば自ずと結論がでるのだが、これは実に根が深い問題である。

進化論ニセ科学的側面

現在科学では動物の種の壁を越える手段を持ちえていない

人と猿は近い種と考えられているが子供を作ることは出来ない。そこには明確な断絶があり、どのような手段で『進化』がこの壁を乗り越えることが出来たかは今だ明確な説明できない

猪から豚が、狼から多種多様な犬が生まれたからといって、進化はあると言うのは紛れも無いニセ科学的な論法である。事、人間に関してはミッシングリンクなどと言う名称までつけて事の解決を図ろうとしているが、これは現在は実証しようがないと認めているに等しい行為である。

豊富な状況証拠から導き出される陳腐な結論

進化論をやっかいなニセ科学にしている理由に多種多様化石存在がある。

時代ごとに明確に異なる形の生物存在したのは事実である。

そして、始祖鳥を筆頭に恐竜から鳥が、魚から両生類が、両生類から爬虫類が…と言うように進化したと言われている。しかし、これを証明できるほど遺伝子工学は進歩していないし、結論は別のものであると考えたほうが遥かに健全であろう。今の段階でこの希望的観測を学校の授業に取り入れるのは間違いである。

クローン猫の事例を出せば納得してもらえるだろうか。

恐らく多くの人間遺伝子が同一なクローンオリジナルに極めて近い性質であると考えたであろう。

私もそう予測した。

しかし、実際は違った。模様から性格に至るまでそれは明確に別の固体のように振る舞い、一卵性双生児のように極めて近い存在とはならなかった。しかし、同じ遺伝子であることに間違いは無い。細胞寿命に関する機能が原因ではないかとも言われているが、多くの遺伝学者、識者が予想もしなかった結論がでた。

つまり、当時のクローン技術で予測された結果は正しくはなかったと言うことだ。

科学とは証左できない存在を排除するプロセスを経て初めて機能する具体的事例をここに出した。

しかし進化論では、状況証拠から結論を予測するしか出来ない。これは間違いを必然的に孕む手法であり、何より間違いを正す手段が無い。

更に言えば、進化論を形作る多数の証拠には扱いに困る物も多い。

例えば、中国政府北京原人は実在すると主張し続ければ北京原人存在することになる。(証拠が既に紛失してしまったので検証しようがない)

進化論の背景

現在進化論のような理論が提唱されても学会で否定されるであろう。

このような証左を求めることが出来ない存在現在科学では入り込む余地がない。

しかし、これは当時の時代背景を考慮に入れなければ説明できない問題である。

実は科学とはアインシュタイン相対性理論をターニングポイントにその性質がガラリと変わっている。

それまでは、科学には無限の可能性があり、明らかに出来ない事象は存在しないと信じられてきた。

しかし、このドイツ出身の物理学者が提唱した相対性理論によって、そのことが明確に否定されてしまったのだ。ビックバンと呼ばれる宇宙開闢以前の時間存在しない『モノ』の考証を物理学は放棄した。

これは、当時の科学者には相当な衝撃であり、決して受け入れられないと考えた学者も多かった。

しかし、誰一人、論理的にそれに対抗できる概念を作り出すことが出来なかった。

(その残滓がタキオンやエーテルと言えば理解できるだろうか?)

さて、話は戻るが進化論アインシュタイン相対性理論発表前にダーウィンが提唱した論文が発端になっている。科学が万能であると信じられた時代の遺物。まだ、科学錬金術と近い間柄だった時代に生まれた存在である。

はっきり言ってしまえば、進化論とはアインシュタイン科学の万能性を否定する以前の学会だからこそ認められた存在であり、これは科学というより歴史学といったほうが良い代物である。

◆本文を書こうと思った背景

ちょうど大阪大学菊池誠教授の『水からの伝言』でニセ科学が話題になっていたので常々思っていたことを文章にしてみようかと。それまでは、非常にナイーブな問題で、米国のほうではインテリジェント・デザインとかいう物まで生まれてしまうほど議論にさえならない状態だったこの問題に区切りをつけて、科学ニセ科学を明確に分けたい!という衝動から書かれた文章。

伝えたいことは進化論科学的な証明プロセスはありえない存在であり、進化論科学と扱うことを否定して貰えればそれでいい。

最後に、この進化論の生み出した悪夢について書いておく。

進化論流行らせた最大の間違いは何か?と聞かれれば私は獲得形質を挙げる。

既に遺伝学的に否定された獲得形質ではあるが、

この考えが根本となり、ナチス優生論が生まれ、多くの人間が犠牲となった。

淘汰は自然には起こらず明確な人の意志によって行われたのだ。

(追記)

今回の記事のブックマークコメントを見て欲しい。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20061226222936

実はこの手の話は感情的になる人間が必ずいる。しかし、大事なことは追試をどう行えば進化論が肯定・否定されるかを彼らが提示することはないという事実だ。

私は進化論が間違いだと言っているわけではない。そもそも進化論は否定する必要さえない段階の説なのだと言っているのだ。

タイトル釣り過ぎという指摘はその通りでございます。賢い貴方乾杯

07:41:09-12/27(水)/2006

インテリデザインという不正確な表記をインテリジェント・デザインに訂正

14:11:45-12/27(水)/2006

ブックマークコメントより、追記の文章を追加

ニセ科学科学http://anond.hatelabo.jp/20061227042214

【A】に対して。

科学の中でも追試が行われ易い分野とそう出ない分野がある。これは、時間スケールが関係しているよ。長い時間をかけて出来るような、天文学進化の関連では検証が簡単ではないものが多いです。

でも、進化でも検証されてきてる分野はでてきてる。たとえば、大腸菌を使った進化を検証したものでしょう。だから、まったく、追試が出来ないかと言えばそうではない部分も持ち合わせているようです。それ以外にも社会性の昆虫の分野の性比の問題なども進化的な検証から成果を上げていますよ。パルサー天体のようなものもあるくらいだから恐らく、天文も同じでしょう。また、検証が難しくとも現存するデータ理論が正しいかどうかを確かめる為に統計学を利用しているが、20世紀半ばの集団遺伝学を引っ張ったフィッシャーのように統計学へかなり影響を与えたような事も産まれている。

科学ってものは未解決なものをといていく事で知見が深まっていく。未解決な例を上げて、否定する論法は偽科学科学の関連でよく使われてるが、それでは説得力が乏しい。たとえば、進化が関連しそうな未解決なものを進化的な方法を取り入れずに解けたならそれは一つの有力な考え方になるだろうし、進化を否定する事につながるかもしれない。要するに、他の方法で未解決なものを説明する試みをしてみないと行けないです。もちろん、インテリジェントデザインのように、超自然的な存在がそうしたのだ。と一言で言われたら、変わりの未解決問題の解決説なのかもしれないが、ここで大きな問題は、超自然的な存在を持ち出す事によって、ブラックボックスを常に作ってしまう事にある。

このブラックボックスってのは、何か都合が悪い事があれば、超自然的な存在の影響だと言う捉え方も可能だし、逆に良い事があってもです。そうする事によって、それ以上の知見を求めない事に問題があると考えていますね。もし、超自然的な存在がいたとしたら、知見を深める事をタブーとはしないと思うけど。倫理的な問題はちょっと別だが。思考を止めて盲目的に信じる事がどのような事に通じるかそれは書かなくてもわかる人が多いだろう。

ただ、偽科学科学の間にある対立で残念なのは、相互理解が全くないところにある。偽科学だと言われてるものたちが科学(=科学的手法)に対して誤解があるし、科学者が偽科学に対して攻撃的なだけのことも多い。科学じゃないけど、感情的な理解を少しはしていかないと理解はされない。情緒と論理の間の対立のようなものだ。ただし、科学への誤解が解ければ、おそらくニセ科学の多くは科学の顔をしないようになるだろう。

ねこだいすき!」http://anond.hatelabo.jp/20061227044835

【A】に対して。

模様から性格に至るまでそれは明確に別の固体のように振る舞い、一卵性双生児のように極めて近い存在とはならなかった。

そもそも一卵性双生児の性格がまったく一緒かというと、そんなことはないわけで、つまり性格は遺伝要因と環境要因のうち後者の影響が大きいと考えられます(通常は似たような環境で育つので近いものになるとは思いますが)。昔の人はいいことを言った。「生みの親より育ての親」

模様については以下を参照のこと

http://plaza.rakuten.co.jp/kemusiro/diary/200608170000/

つまり、当時のクローン技術で予測された結果は正しくはなかったと言うことだ。

科学とは証左できない存在を排除するプロセスを経て初めて機能する具体的事例をここに出した。


素人考えで性格も模様も一緒になるはずと考えるのは勝手ですが、みんなもそう思ってたと考えるのはどうかと思います。どちらも知識さえあれば事前に予測できたことです。昔の人はいいことを言った。「下手の考え休むに似たり」

以下蛇足。

この手の文章を読むと、だいたいどういう方面の人かというのが分かるのだけど(インテリジェントデザインキリスト教右派の主張の焼き直しにしか過ぎないことがバレバレなように)、この文章はどうも分からない。分からない原因は対立概念が書いてないからだと思うのだけど、「進化論」がニセ科学だとするならば、人間その他の生物はどのようにして発生したと考えているのでしょうか。そこを詳しくききたい。

それともあれかな、信じられないから信じないというトートロジーに陥っているのか、純粋無知懐疑主義者とか。

科学とは「ナゼ」を追求するものではないのか」http://anond.hatelabo.jp/20061227054110

俺にとって「反証可能であるか」「追試可能であるか」どうかなどどうでもよく、

血液型性格判断も、マイナスイオンも、ゲルマニウムも、水への言葉

「ナゼ」「どのような仕組みで」と言う部分をすっとばしているから「科学ではない」ではない。と言いたい。

「理由はよく分らないのですが、こうするとこうなります」

ではただの経験則であって、万人に通用するかは分らない。

B型は身勝手だから」「マイナスイオンは体にいいから」「水が人の心(の波動)を受けるから」

全て「どのような仕組みで」をすっ飛ばしている。

だから『科学ではない』これではいかんのか。

科学が『ニセ科学』を糾弾できない真面目な理由」http://anond.hatelabo.jp/20061227063233

ひとつの理由。

偽者と本物が同じ土俵に立つわけにはいかない。

同じ土俵に立って戦えばピエロになるだけ。

科学とはできないを突き詰めるもの。

可能性を夢想するものではない。

科学は万能などではない。

我々にはできないことの方が多すぎる。

だから前提条件が必要なのだ。

空を飛ぶ為には人間が両手を広げてブーンと言うだけでは飛べない。

人間が両手を広げてブーンと言うだけ」

これは前提条件だ。

人間が飛べない」というものを証明したものではない。

同じ論点で、宇宙人がいないと断言するのは間違っている。

宇宙人は少なくとも確認されていない。」

科学からすれば、それ以上でも以下でもない。

それを「居る」と断じる人たちと戦おうとするのが間違っているのだ。

「居る」「居ない」で戦おうとする人たちに

「いまは確認されていないのでは?」と問う声は届かない。

すべてはおまじない程度の可能性。

すべての可能性は否定はしない。

テレビが映るのを不思議と思わないのに幽霊を見るのは特殊な才能だと思っている。

そんなアンテナ感度の違う人たちと同じ土俵で戦えるわけがない。

「つまり、ニセ科学というのは。」http://anond.hatelabo.jp/20061227081540

仮説にもなっていない言説ということなんでしょうか?

要するに、科学的な根拠がないから、ニセ科学

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B2%BE%C0%E2&search_history=%B2%BE%C0%E2&kind=all&kwassist=0&mode=0&jn.x=48&jn.y=11

かせつ 0 【仮説】

〔hypothesis〕ある現象を理論的に統一して説明するために立てられた経験科学上の仮定。その真偽の検証は、仮説から必然的に演繹(えんえき)された諸命題実験や観察によるテストで確かめることによってなされる。検証された仮説は法則や理論として公認される。

記事への反応 -
  • 前回、 追試により証左を求めることが出来ない科学は全て『ニセ科学』だ! と、定義してしまった場合の科学の脆弱性について書いたのですが、コメント欄や、トラックバックの反応を見.

    • 巷で蔓延するニセ科学批判。多くの人間の共感を呼んでいるが、実は問題はそう簡単なことではない。 確かに、追試により証左を求めることが出来ない科学は全て『ニセ科学』だ! と、定

      • 久々に興味ある話題なので転載してまとめるよ。 http://anond.hatelabo.jp/20061226222936→これを【A】とするよ。 巷で蔓延するニセ科学批判。多くの人間の共感を呼んでいるが、実は問題はそう..

      • http://anond.hatelabo.jp/20061226222936 ものすごくニセ科学臭のするエントリなんですが。

      • http://anond.hatelabo.jp/20061226222936 科学の中でも追試が行われ易い分野とそう出ない分野がある。これは、時間スケールが関係しているよ。長い時間をかけて出来るような、天文学や進化の関連..

      • http://anond.hatelabo.jp/20061226222936 >模様から性格に至るまでそれは明確に別の固体のように振る舞い、一卵性双生児のように極めて近い存在とはならなかった。 そもそも一卵性双生児の性格.

      • しかし、このドイツ出身の物理学者が提唱した相対性理論によって、そのことが明確に否定されてしまったのだ。ビックバンと呼ばれる宇宙開闢以前の時間が存在しない『モノ』の考証を.

      • http://anond.hatelabo.jp/20061226222936    間合いが劇場の人臭い。  劇場の人が釣ったか、劇場の人の真似をして誰かが釣ったのか、どちらなのか。  

      • 俺がひっそり書いた偽者はやっぱり気づかれてなかったのか。 ■ 暗黒(Φ血Φ)クワ! http://anond.hatelabo.jp/20061205135012 前回のまとめで最大のミス↑を犯したクワは、もうこれっきりと...

    • http://anond.hatelabo.jp/20061228055013 追試により証左を求めることが出来ない科学は全て『ニセ科学』だ!って定義したら確かに現時点で状況証拠だけで検証不可能な仮説は全部ニセ科学になっち..

    • http://anond.hatelabo.jp/20061228055013 私に進化論に代わる理論を求められる方も居られるようなのですが、科学とは別に対案を出さなければ語る資格の無い場ではないのです。 そこまで求めて..

    • もうね、元人文学徒としちゃ「歴史学は反復検証ができないから科学ぢゃない」とか飽きてるわけですよ。 素朴ポパー儲かよ。アホくせえ。クーンとファイヤアーベントとか嫁。 もしくはi

      • http://anond.hatelabo.jp/20061228120019 http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20061226/1167096115 http://fw0.blog37.fc2.com/blog-entry-342.html ファイヤアーベントとファイナルベントの区別がボクにはつかないよ

    • http://anond.hatelabo.jp/20061228055013 歴史は科学ではないのは当たり前として。 じゃあ、ニセ科学か? 違う。別に科学の名を語っていないからだ。 それは、哲学にも心理学にも経済学にも言え.

      • 歴史は科学ではないのは当たり前として。 じゃあ、ニセ科学か? 違う。別に科学の名を語っていないからだ。 http://anond.hatelabo.jp/20061228134307 歴史科学協議会 この人らの立場はどうな

    • 群より個のミーム - はてな匿名ダイアリー ESSって結局『創発』のことだよね? ID論とかキリスト教原理主義のプロパガンダとしか思ってない人が多いと思うんだけど 実際学会で議論になる

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