それは食糧生産力です。
たとえば百人の内で一人の大工が生きていけるようにするには残りの九十九人で百人分の食糧を生産する必要があります。
(実際には農閑期に別の仕事をするなどの兼業があるのでそう単純ではありませんが。)
専門家が活動するためにはそれを支える様々な人々やインフラが必要だということです。
ロシアに住む圧倒的多数は無辜の人々であり、多くの企業が撤退してしまうのは非人道的ではないかという論があります。
確かに人道的とは言えません。
人道的とは言えませんけども、生産活動とはいえない軍事行動を支えているのはロシアの (無辜な) 人々なのです。
工業に携わる人がいて、工業に携わる人に食料を提供するのも衣服を提供するのも兵站の一種です。
ロシアにおける生産活動でロシアの軍事行動に寄与しないものごとなどありはしないのです。
もちろんこれは極論です。
大きな影響力をもつ生産も (事実上無いと言えるほど) 小さな影響しかない生産もあります。
ここで述べたいことは、軍事行動に対するカウンターと人道とのバランスにおいて線を引く必要があるということです。
グラデーションの中で線を決めなければならないという話であって、悪意がなければ許されるというわけではないし、被害を止めるために何をしてもよいというわけでもありません。
わかった、みんなでSDGsやロハスやエコをがんばって温暖化をとめ、むしろ寒冷化させたら、ロシア人も小麦を育てらんなくなって、勝手に餓死するってことだね…!