「いつか」報われると信じて、修行僧のように苦難に立ち向かい、弱音を吐くこともせず、
弱音はずっと自分の心の中に留めて、誰かに頼る、甘えることもせず…かつ、自罰的に。
そんな風にして生きるのは、正直もう限界だった。心の中のコップの水は、とっくに欲求不満でいっぱいで、今にもあふれだしそう
だった。表面張力はもう効かない。
ずっとそんな生き方をしてきた。だけれども、少し大きな失敗をしてしまって、どうしようもなく落ち込んでしまって、
ついにはコップの水は溢れ出してしまった。
どうしようもなく泣いた。悔しかった。寂しかった。寂しくて、寂しくて寂しかった。ずっと満たされなかった。
誰かにこの寂しさを満たして欲しかった。誰かに自分を支えて欲しかった。どんな些細な支えでもよかった。
それさえあれば、たとえ何がなくなって、自分がどんなに駄目になってしまっていても、まだ頑張れると思っていたのに、
そんな些細な支えさえ僕にはなかった。
みじめだった。悔しかった。嘆いた。喉の奥が何度も何度も焼けるような、そんな悔しさがこみあげる夜も幾度もあった。
お酒を飲んだって、どんなに冷たい水を飲んだって、暖かいココアを飲んだとて、焼けるような喉の痛みは収まらなかった。
誰かに優しくして欲しかった。とにかくとにかく、優しく、優しく。誰かに抱きしめて欲しかった。よくがんばったんだね、
だとか、無言だっていいから優しく…。この寂しさを、みじめさをそっと優しく包んでくれるように、誰かに優しく抱きしめて
欲しかった。
誰かに甘えたかった。本当は甘えたかった。僕は一人で生きていけるほど強い人間でもなかった。そんな事、自分が
一番よくわかっていたのに…。
もうこんな生き方をするのは無理だった。あまりに辛すぎた。僕は修行僧にはなれない。
俗世間に染まって恋愛もしたいんだ、なんだかんだいっても。人肌だって恋しいんだ。
誰かに甘えもしたいし、優しくもするから優しくもして欲しい。寂しいのはずっと嫌だった。
寂しくても、それを孤高と読み換えて、それでもいいさと、もうそこまで思う強がりはできなかった。
弱さも本音も全て受け入れる他なかった。情けなくみじめに泣いた。かっこ悪かった。でも、もうそれで
いいと思った。僕はかっこよくもないし強くもない。むしろ弱いほうだ。
ずっと自分に嘘をついてきたんだった、と。
他人に嘘を付けても、自分に嘘は付けなかったんだ。
どんなに巧妙に偽ったって、辛いから、そんな嘘は付き通せやしないんだ…。
手を握ってあげる資格も無いけど 決して一人ではない、ないよ