2024-05-04

かぶりをふりふり」という言葉について

やや古いSFを読んでいたら「かぶりをふりふり、答えかけた。」という一文に出くわして、珍しく感じた。

かぶりをふりふり」ってなんだ?

かぶりをふり」の間違いじゃないのか?

と疑問を覚え、検索してみると用例が普通にたくさん出てきたので、へえーと思った。

https://yourei.jp/ふりふり

 

もしや翻訳モノに多い表現なのか?と考えたが、そうではないようだった。

太宰治江戸川乱歩なんかも使用している。

私は首をふりふりこの並木の青葉を眺めた。

 

太宰治『猿ヶ島』

金比羅舟々こんぴらふねふね、……おいてに帆ほかけて、しゅらしゅしゅら」

 と彼は首をふりふり、吹き立てた。

 

江戸川乱歩『木馬は廻る』

 

ま、要は自分はこの表現を知らなかった、というだけなのだが、この「ふりふり」はメジャー用法ではないような気がする。

「○○をふりふりする」の「ふりふり」ではないことは明らかにわかるし(それは「ふらふら」とか「ぺこぺこ」のような擬音語に近い)、また「ふりふりのスカート」の「ふりふり」でももちろんない。

またひとつ勉強になった。

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