何年か前に、山に登っていたら突然大粒の雹と目の前が見えないくらいの大雨が降ってきた。
痛かったし寒かった。
登山ルートの3分の1程度のところだったこともあり、引き返してる最中に
子供はおそらく未就学児。
彼らは
ごく普通のサンダルに手持ちの日傘(もちろん遮光はついてない)、近所に買い物に行くような運動向きではない格好で、
前述の天気の中、山を登ってくる。
当然止めるが、こちらの話を全く聞かない。
子供は雨でびちょ濡れ。
肩にかけているトートバッグには3人分の雨具が入ってるようには思えなかった。
「今からでも引き返したほうがいいですよ」
「はぁ…」
「この登山道はまだ入り口手前の方なので、今からでも引き返せますよ」
「はぁ…」
壁と話してるみたいだった。
父親らしき人は周囲に居なかった。
あの子達まだ生きてるのかなとたまに思い出す。