おもむろに股間に手を突っ込み、陰毛をむしる
しばし見つめた後、ふっと息を吹きかける
縮れたそれらは、ただバラバラふわふわふらふらと、いまだに社会的立場の定まらずふらつく俺を象徴するかのように、虚空をたゆたう
そして最後は床に落ちる
カラスがなく
むしむしとした湿った風が網戸から流れ
それらを一掃していく
しょせん風に好き勝手もてあそばれる身分でしかない自分
いや違う
それなら風に乗ってどこへでもいける
筋斗雲なんかなくたって
ぼくらは陰毛
風の旅人
目指すは
Permalink | 記事への反応(0) | 22:03
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