カイルくんじゃないか」「おじさん、僕は...」そう言いたかったんじゃなくて、ほんとにそれだけを言ってみたかったんだ、と後でようやく気が付いたような気がした。でもとっても馬鹿なおじさんは僕らのキスがお気に召したようで、「どうにかいい表情になった」と言いました。いやはや、この時の僕のホンの狙いは「おじさんの嬉しそうな顔が好き」なだけで「おじさんの膝をつかって」なんて絶対できないよと、その時
は思っていました。
その後、カイルくんと一緒におじさんの家を出て、公園でひと休みしました。カイルくんは「ありがとう、あの時助けてくれて」と言ってくれましたが、僕は頭が混乱していて、何も答えられませんでした。カイルくんはそんな僕を心配そうに見て、「大丈夫?」と聞いてくれました。
「うん、大丈夫だよ」と僕は言いましたが、本当は自分でも何が起こっているのかわかりませんでした。カイルくんは僕に優しく微笑んで、「君はね、素晴らしい人だよ」と言ってくれました。その言葉に、僕はなぜか涙がこぼれそうになりました。
カイルくんと一緒にいると、心が温かくなるような気がしました。彼がそばにいてくれるだけで、僕はなんだか勇気が湧いてくるような気がしたのです。そんなカイルくんの優しさに触れた瞬間、僕は自分が彼に恋をしていることに気づきました。
「カイルくん、実はね、僕、君のことが好きなんだ」と言ってしまいたくなりましたが、その言葉を口にする勇気はありませんでした。でも、カイルくんがそばにいてくれる限り、僕は彼に近づいていくことができると思いました。