銀座の某化粧品店にふらっと入り、BAさんの接客を避けていくつかの香水の香りを試した
そのうちの一つを手首にひとふきして店を出た
夕暮れ時、手首の香水を嗅ぎながら街を歩く
ふと後ろを歩いていた女性が連れに言った
「ねえ、ジャスミンのすごくいい匂いがする!」
あ、自分の手首のこれだ、と瞬時に分かった
誰かの香水じゃない?と連れの男性が言うと、女性はいやいやそのものの匂いだし違うよ、花がどこかにあると思う、という
女性は続ける
「ジャスミンの匂い、一体どこからだろう?」
こんな冴えない自分がその香りの元だとわかるのが嫌で、コートのポケットに手を突っ込んで足早に離れた
その香水はアラニュイという名前で、その時に覚えていたのだったか後に知ったのだったか
その後、ほしいなと思った時には日本で廃盤となっていた
もう何年も前の話
香水板でこの名前を見かけるといつもこの時のことを思い出す
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