面識はない人だ。
だがまだ若く、少なからず衝撃を受けた。
最初に出た言葉は『なんでそんなことを?』だったが、これは愚問だった。
自分の父も自死をしており、その問いを続けたことがあったが、答えなどわからなかった。
だから、その問いを続けてもなにもないのだろう。
この世の中、自死を選ぶ人がいる。
色々な理由で、亡くなっていく。
『なんでそんなことで』と思う理由で亡くなる方もいると思う。
でも、当人にとってはそれは引き金でしかなかったり、『そんなこと』だと思ってなかったりするのだ。
自分はなんとか折り合いをつけたのだが、そのご家庭に暗い影が落ちていることを思うと、悲しくなる。
『何故?』と。
でも、一方で
『それしか答えが見えなかったんだ』
とも思う。
でもなんだろう、この胸のモヤモヤは。
病死や寿命などの『ある程度分かっている死』ではなく、急な死。
それに対して、何をどうしていいのかわからなくなる。
今年も自殺者が何万人と出ているこの社会で、誰か1人でも思いとどまってくれることを祈ることしかできない。
それが、とても歯痒い。
悲しいよなあ