美しいひとが生き抜いていくには、その美しさを許容できるほどの美しい世界が必要で、そんなものはこの世にない。
初めての仕事を終えて会社から外へ出たら、悲しみに包まれた。激しく、かつしみじみと悲しかった。どうして悲しいかわからなかった。
振り返ってみると、初めてのことをたくさんしたから疲労を上手く処理できなかったとか、自分にはこの先何ができるのだろうという不安や、何もできないだろうという確信、いろいろな理由が浮かんできた。
どれも違うようでどれも当てはまっていた。
すっぽりと悲しみに包まれたまま電車に揺られ、帰り道もずっと自分の存在がおぼろげだった。自分の存在が信じられなかった。
何もかも怖いです