2021-08-03

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あのころ、人々はまだ疑うことを知らなかった。

献身に溢れた治療、こまごまとした見事なゾーニング・・・

隔離は二週間――宿泊すれば息もつかぬうちに、すぐ終わる。

大した犠牲を出すこともない・・・

私たちはこんなふうに、2020年コロナ禍を単純に思い描いていた。

 お盆までには実家に帰ってくる。

新しい感染者たちは、笑いながら母親に叫んだ。

    「お盆にまた!」

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