72歳没。
その親戚のおっさんはなんていうかなあ、いわゆる世捨て人だった。
爪垢がすごかったし、ヒゲは伸びっぱなし、親から相続したすっげえ狭い土地にプレハブ小屋を建てて一人暮らし。
でも子供の頃はよく遊んだな。見た目や社会的立場とは裏腹にそこそこいいおっちゃんなんだよ。
そこら辺のゴミ捨て場からバスタブを拾ってきて庭に穴掘って埋めて池作ったりとか、さくらんぼの木を突然買ってきて植えて食ったりとか。
子供心にやばいおっさんだとは思っていたが、世捨て人の楽しみ方みたいなものを心得ている人だった。
昔は似たような人がたくさんいたらしいな。でも最近はあまり見ない。そういう生き方をするのももうできない世の中になってきたのかなあ。