2021-06-23

コロナ短歌 10

運動会中止のお便り持ち帰るランドセルかな明日青空


人混みの中でくしゃみをしないよう噂話をするのを控える


信じてもいいと重ねた帰り道 手と手に纏う透明な膜



「門限は8時ちょうどよ」「30分くらいいいでしょ行く場所ないし」


あの場所のあの雑踏や棺桶にいない私はただここにいる


持ち帰りできたらどんなに嬉しかろ 君の瞳の中奪いつつ


生き急ぐ我らの画面の向こうには「感染」という文字など見えず


綿あめも輪投げも花火焼きそば屋台匂いも知らぬ幼子


悪くない、悪くないからもう泣くな 泣いてもおれはここにいるか


足首を捻挫したとき休んでたあの昼休みがまだ続いている

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