運動会中止のお便り持ち帰るランドセルかな明日も青空
人混みの中でくしゃみをしないよう噂話をするのを控える
信じてもいいと重ねた帰り道 手と手に纏う透明な膜
「門限は8時ちょうどよ」「30分くらいいいでしょ行く場所ないし」
あの場所のあの雑踏や棺桶にいない私はただここにいる
持ち帰りできたらどんなに嬉しかろ 君の瞳の中奪いつつ
生き急ぐ我らの画面の向こうには「感染」という文字など見えず
綿あめも輪投げも花火も焼きそばの屋台の匂いも知らぬ幼子
悪くない、悪くないからもう泣くな 泣いてもおれはここにいるから
足首を捻挫したとき休んでたあの昼休みがまだ続いている
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