その女はなぜこんなに自分は生きづらいのだろうと思いました。
家族の中でも、学校でも、職場でも、インターネットの中でさえ、生きづらさを感じていました。
誰も彼もが自分にストレスを与えてくる。自分がやりたように生きることを咎めてくる、と思っていました。
しかしある時、その女は武器を拾いました。武器には「ツイフェミ」という銘が掘られていました。
試しにその武器を振るうと、今まで自分を苦しめていた人たちをやっつけることができました。
そうか、私を際限なく抑圧するこの世界には「武器」が必要なのか、と女は思い、武器を振り続けました。
次第に、同じ武器を振るう仲間が生まれました。女達は勇ましく戦いました。
「ツイフェミ」によって倒された者達も、やがて徒党を組みました。「アンチフェミ」部族です。
いつ終わるとも知らない戦争の中で、ある時ついに女は「ツイフェミ」の使い方を間違え、「アンチフェミ」に捕まってしまいます。
「何がいけなかったんだろう」
「最初はただ、生きづらいだけだった」
「生きづらさを解消したくて戦っただけなのに」
「なぜ互いを殺し合うような戦争になったのだろう」
ツイフェミ使いの女達も、アンチフェミ部族も、幼い頃に「戦争は悪だ」と教わってきました。
戦争は遠い世界のことだと思っていました。自分が人を殺すはずなんてないと思っていました。