閑静な店内の中でいくつか物色していると、かなりドラッグできそうな商品が見つかった。
パッケージにはこんな大きなトラックですらドラッグできます、と書いてある。
なるほどこいつはドラッグできそうだな。と思った。マウスでぴゅーっとドラッグするレベルではない。
その中でもかなりドラッグできそうな商品が、立て付けの悪い引き戸を強引にドラッグできる商品だった。
これは興奮する。興奮せざるを得ない。
私の心は立て付けの悪さ云々をこえて、引き戸を壁にめり込ませるところまで拡大していた。
めり込ませたい。
ドラッグして壁にめり込ませたい。
ムラムラする。
そこまで思いつめたものの踏みとどまった。
どこい持ってゆくのかなんて、そんなことは愚問だ。
月面までドラッグした運搬物で積み重ねて軌道エレベーターを作るところまで妄想してこそ真のドラッガーだ。
ピーターの方ではない。
こんな話を友人に話していたら、友人は薬でもやってんのかという。