穴の空いたバケツのように、好意を貰っても貰っても受け取れない、そういう精神の持ち主は、まず人に求めるのでなくて穴を塞がないといけない。
そう言われたけれど、好意こそが穴を塞ぐ原資だから、貰うのをやめてしまうとさらに崩れ落ちていく…交流を絶ったら、それがわかった。
多くの好意を犠牲にして、人を傷つけ続けて、少しずつ穴を塞いでいくか、穴を塞ぐのを諦めて生きるか…その二択。
多分この穴は、親の愛情。
親の自己犠牲的な献身と無償の愛情がこの穴の正体で、だから親から得られなかった分は他人の犠牲をもって埋めることとなる。
なにか見返りを求めての愛情ではなくて、あなたの存在それ自体に価値があるのだと、だから犠牲をも厭わないのだと、そういう実感が穴を埋める原資となる。