そう考えるとようやく心が楽になった。
俺は必死に自分の事を好きになろうとしてた。自分の事が好きなら、人の事も好きになれる。
でも無理だった。逆に醜悪さを隠し切れず。生まれながらの卑しさ、心の汚さがどんどん浮き彫りになる。
光を探せば探すほど、より大きな闇がどうしても目に入ってしまう。
だから俺は諦めた。
ありのままの俺を受け入れることにした。
臆病で卑怯で下劣で汚く、品性もなく優しさもなく、かといって運もなく力もない。経験もなければ学もない。
生きていれば何かしらの、素敵な個性があるはずなのに。
もう隠しようがない。こんなのを好きになる必要なんてない。
そして、こんな奴を好きになってもらう必要もない。無理だ。
俺はもう最低からは抜け出せないんだ。何も前に進むことはない。
やっとスッキリできた。
ずっと無理して、汚い生ごみを大切に、大切にしてた。
こんな生ごみ、人に愛されるわけないのに。
もしかしたら、誰かが俺を見初めてくれるかもと思っていた。
馬鹿だ。
全て諦めた方が楽なのに。
嫌われた方が楽なのに。