今までの人生で色々な人に遭遇した。
社会の窓が開いている人、
洋服が裏表逆の人、
背中のファスナー全開の人、
いやおっさんと言うには少し若いか?30代前半…?中盤…?くらい、後ろから見てたから曖昧。
肩甲骨のあたりが小指ほど横に破けており、半分は縫われた形跡があった。
縫ったのがほつれたのかもしれない。
思えば、今まで遭遇した人って「開いてますよ」とか言えばその場で修正可能な人ばかりだった。
背中破れてますよと言われても、外ではどうにもならないだろう。
もしかしたらついさっき破けて、この人も把握済みで、でもどうしようもなくてこうやって歩いているのかもしれない。
でももし気がついてなかったら…?
言うべきか、言わぬべきか。
そんなことを考えていると彼は行ってしまった。