湖底のまつりを読んだ。この小説は、紀子が晃二に向けて「いいの、誰でも!」って本心を告げることで終わるんだけど、本当にそれでいいのかなあって思ってしまった。
その恋心こそ事件の核心にあったのだから、再会できた晃二に思いを投げつけるのは酷な気がする。紀子がことの顛末を知っていないのはわかるんだけども。
しかしながら、舘崎警部の過程はちょっと珍しい結末を迎えるので娘さんが大変だなって思う。姉妹みたいに仲良くなれるのかもしれないけど、うーん。時代のなせる結末なのかなあ。
帯に読みが外されるって書いてあるけれども、現代の完成を持っている読者なら結構早い段階で構造に気が付けるんじゃないかな。
分かりやすいけれど、若い恋心って怖いなあとも思わされた作品でした。
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