倉持氏が山尾女史を「女」として見ていなかったということになる。そう考えると、確かに腑に落ちるところもある。
「女」ではなく「仲がいい仕事仲間のおばちゃん」と見ていたら、平気で自宅にも招くだろうし、ホテルで早朝まで一緒にいても何も思わないだろう。
周囲から「男女」と見られるという感覚がないから、堂々と車にも乗せられる。無警戒だから顔も隠さずコソコソもしない。
いきなりこういう事態になって、やっと「ああ、そういえばシオちゃん女だったな」と気づく。
山尾女史は初めから倉持氏を「男」と見ていただろう。女性の方が男性と親密になることに警戒心が強い。
それでもガードを下げたのは、淡い期待があったからに違いない。何かあっても構わない、という覚悟はあっただろう。
抱きつかれたら抵抗できない。押し倒されたら助けを呼ぶこともできない。そういう場に二人きりでいた時点で。
だからこそ不倫否定会見は悔しかったはずだ。自分が「女」として見られていなかったことを日本中に知らしめなければいけないのだから。