強力な力を持つ存在がいた。
だが、彼らはある時期その力を失っていた。
そうして世界が暗黒に落ちかけた時代を照らしたのが、サブカルチャーである。
太陽の沈んだ世界に輝く月の如く、闇夜に瞬く星界の如くサブカルチャーは栄えた。
しかし、再び太陽は昇り、サブカルチャーの存在は儚く霞んでいくのであった。
太陽が昇れば消えてしまったサブカルチャー、彼らの存在意義とは何だったのか。
私は、「バトン」だったのだと考える。
太陽が存在しない時代を支え、次の太陽までを繋ぐ、それが彼らの役割だったのだ。
サブカルチャーとは結局のところはサブのカルチャー、光溢れる世界では再び地下に戻るが道理。
闇の中で煌めいた彼らの光を心に残し、地底へと戻る彼らを見送るのが我々の成すべきことなのではないだろうか。