古来より日本では付喪神信仰があり、長年使われたものには魂が宿るといわれてきた。
当然箸にも魂は宿り、放っておくと意図しないものを使用者に食べさせるいたずらをしたりすることが言われてきた。
これを防ぐために、まず箸を使う際は箸の先端を折り、箸に魂が宿らないよう、宿ろうとしても先端から抜けてしまうようにして使う習慣があった。
近代になりこの風習は廃れたものの、現代でも時折使用済みの割り箸を折る老人の姿がしばしば見られるのはこの名残である。
ちなみに行為などを省略することを意味する「はしょる」は、この「箸を折る、箸折る」が語源だということは言うまでもない。
民明書房刊「世界食器大全」より
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