妻とは交際期間こそ長かったが、なかなか結婚に前向きになってくれなかった
色々と水を向けてもはぐらかされるばかりで、それでいて私との関係を解消する意志も見せず、このままダラダラと半端な状態が続くのだろうかとぼんやりと考える日々が続いていた
しかしある日突然、「やっぱり結婚しよっか」と言い出し、あれよあれよという間に入籍し今に至る
それから3年目の結婚記念日に心変わりの理由を思い切って訊いてみた
「べつに不幸になりたいってわけじゃないけど、結婚したからといって絶対に幸せにならなきゃいけない義務なんてないし、何かのはずみで不幸せになったからといって罪悪感を覚える必要なんてないし、独身でいようがいまいが不幸になるときはなるものだ、と気付いたら、なぜか急に結婚する気になった」
と、妻は答えた
俺が反応に困っていると、妻はにやりと笑った
不幸にしてくれてかまわないってことだな