ぶらぶらと、風が冷たい秋の日に。
中学生だった。3年生だった。
偶然、君に出くわしたくて。
会うはずがないのに、
何度も出歩くことで、その可能性を少しでも上げたくて。
だけれど、君の家の近くは歩かないようにしていた。
君のことを僕はあまり知らない。
恋人がいるのかすら知らない。
噂を聞くだけで、胸が苦しくなった。
だけど、何度も何度も、君が僕を呼び止めたことを、
ずっと忘れることができなかった。
時間が惜しいのに。
だけれど、見失うことはもっと怖かった。
だから、また探していた。
出くわすことはなかった。
僕はただただ、
幸せになってほしい、とそう思った。
光は君じゃなかった。
光は、君の・・。
また髪の話してる・・・