ずいぶん前の話なのだけど。敬愛しているとあるアーティストのかたが、あるファンが亡くなったことをたいそう悼み、悔やまれていた。身を切るように書かれた文章を読んで怖くなった。この人は数いるファンの一人が亡くなったことを、ここまで辛く感じてしまうんだ、と。
そのかたは記憶がよくて、怖れ多いことに私のこともご存じである。イベントで話したとき、アンケートに書いたことや差し入れのことを覚えていらっしゃった。たぶんtwitterとかもバレている。
私がたとえばうっかり何かで死んだりしたら、やっぱり多少は辛くなってしまうのだろうか。それは、嫌だな。手紙なんか書かなきゃよかった。限定イベントなんかいかなきゃよかった。
私は、私の好きな人が、私ごときのことで心を痛めて欲しくない。群れのスズメの一羽みたいに扱ってほしい。
だから、しばらくは死なないことにしようとは思う。でも、うっかり死んでしまうこともあるかもしれない。愚かな思い上がりであってほしい。