同じ事件の第何百回目かの陪審員に「また」僕は選ばれた。
野菜ジュースのパックを飲みながら、緊張した面持ちで法廷に向かう。
勝手知ったるその席に僕はついた。
被告の弁護人と、原告の弁護人と、裁判官は、僕の顔をしている。
ここは子宮のような安心感がある。
罵りあい同情を誘う僕らは、絶対に本当にまずいことは言わない約束だからだ。
おもむろに判決が出た。
もちろん「有罪」だ。
世界とか僕とか、全部が「有罪」なのだ。
だから明日からどうなる、どうする、という事はない。
どうなればいいか、どうすればいいかなんて、頭が悪くてわからないのだ。
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