2013-05-02

救う者に意志必要か。

幾らかの感情すらからも離れるからこそ、救われるのではないだろうか。

あなたは何のために救ったのですか」

自分を満たす為などと泥を吐く。

言葉にしてしまえば、その色が薄まるとでも思ったのですか」

救われたいから救ったのだ。いや、救ったとは思うまいよ。

只々自分は、誰かの近くに侍りたかったのだ。

我欲を綺麗に見せるのはやめたらどうですか。あなたは取繕いと同情誘いばかりです」

救う事で救われるなど、思うべきではなかった。

あなたを救うべきではなかったのかもしれない。

「手を差し伸べたわけじゃないのですよね。

あなたは僕が足掻いている様をみて、それを救う振りをして。

僕にあなたを映して悲しんだり喜んでいたりしただけです」

……自分は、酷い事したのだろうか。

希望を見せては奪うような事を。

「薄平い贖罪なんてしないで下さい。

あなたはこの期に及んでも、自分可愛さが抜けないだけなのですよ」

それならば、どうしてあなた自分に救いを求めたのですか

自分にはもはや、あなたを救う事も贖うことも出来ないのに。

「……あなたが何様だとしても、救いようのない莫迦なんだとしても。

例えあなたの手が目を逸らす様な色に染まっていても尚

僕は其れに縋る事しか 出来なかった訳ですから

それでも、そうだとするならそれは救われたという事ではないのでしょうか。

あなたは救われようと思って手を握り、希望を持ったのではないのですか。

「……あなた神様なんだとしても、救いという釈迦だったとしても。

例えあなたの手が垂れる蜘蛛の糸に見えたとしても尚

僕はこうして、其れに縋る事さえ 出来無かった訳ですから

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