自分は取るに足りない人間だという思いにとらわれて気分が塞ぎこむ。こういう感情は一年に数十回ほど経験するのでとっくに慣れっこである。付き合いが長いということは、一度も問題が解決されたことがないという事でもあるのだが。
で、自己肯定感を得るにはどんな能力を獲得すればいいか、何ができるようになればいいかと考えていたところ、不意にそういう問題設定がそもそも筋が悪いんだろうなと思った。条件を満たせば肯定感が得られるという仮定は、条件を満たさなければ肯定感が得られないということと等価だ。つまり、自分に自己肯定感が備わっているいるのかどうか常に判定しつづけていなければならない。それはまた、判定に失敗して肯定感を失うリスクを常に抱えているということでもある。
そういうやり方は、安定した自尊感情の供給には繋がらない気がした。
きっと自分が自分でいいんだという感覚は、何かの結果として得るようなものじゃないのだ。獲得するものではなくて信じるものなんだと思う。「そういうもの」として受け入れて、なるべく疑わずにやり過ごすもの。