2012-05-02

彼女花見にいった話

今年も彼女花見に行った。

ここでは彼女のことをKと呼ぶことにする。


Kは桜が大好きだ。

愛猫の名前も「サクラ」だし、

お気に入りストールワンピースも桜色だ。


Kのいま住んでいる家のすぐ脇に、桜の木が一本だけ生えていて、

毎年その桜の木の下に座って花見をしている。


場所場所ということもあって、他に花見をする人はいない。

二人だけの穴場スポットだ。


俺はコンビニで買ってきたカップ酒を飲むが、Kはゲコなので水だ。

Kと話す話題は毎年ほとんど一緒だが、とても穏やかな時間だ。



花見の日なのに、花束を持ってこなければいけないのは滑稽だと思う。

本当はキクの花がいいんだが、

Kはキクの花が嫌いなので、春の花を適当にみつくろって持ってきている。



Kとの花見はきまって4月2日だ。

5年前に、Kが今の家に引っ越した日が4月2日

以来、ずっと続けている。


ただ、俺は今年の花見を、最後花見にしようと思っている。

俺にも新しい彼女ができたし、

ずっとKを引きずっているのも、Kは嫌がると思うからだ。


から、今年はいつもよりたっぷり花見をして、

いつもより長い時間、手を合わせてきた。

またな、K。

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