小さな団地で、僕の家はその端にあって、すこし間を置いて工場が建っていた。準工業地帯で、他にもいくつか工場があった。何を作っているのかよく分からなかったけど、半々の割合で稼働していて、稼働している時はどこもそれなりに大きな音がしていた。
四六時中というわけではなかったので大して気にすることもなく、どちらかといえば実家を思い起こす時には静かな暮らしだったイメージ。
最近会社の近くで工事をしているのだが、五月なので季節柄窓を開けている。その工事の聞こえてくる感じが実家とよく似ていることに今日気がついた。
ずっと工事してたのに今日まで気がつかなかったぐらい自然に受け止めていたのかと思うと、人間の育つ環境っていうのは凄い影響力があるんだなと思う。
自分は雪国でもなければ海辺でもない、ど田舎でもネオンが光り続ける都会でもない、平々凡々な町で何の特徴もなく育ったと思っていただけに、なかなかな発見だった。
それだけ。