2009-01-20

記者ブログ雑談政治家って人気商売なんだ。 福島香織

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090117/stt0901170020000-n1.htm

■先日(1月10日)、産経新聞主催で開かれた全国学生論文大会・土光杯のトリテキ(テープ起こし)に動員された。22日の新聞に、優秀作品の要旨が載るので、詳しくはそちらを見ていただくとして、ちょっと印象に残ったのが賞外の「地方議員となって地域から日本をかえる」という内容の論文発表した池田裕文さん(東北化学園大2年)。質疑応答タイムで、弊社の斎藤編集局長に「今の国会議員で誰が好きですか?」ときかれて、「麻生首相」と答えていた。

斎藤「なんで?」

池田「今までのようにただ座って人の話を聞いている首相より、批判されようと、こうしてみようか、ああしてみようかと、ちょっと意見が出せるところが憧れ」

斎藤「でも漢字よめないよ」…。

尊敬する政治家、優秀な政治家ではなくて、好きな政治家は?という問いがでてしまうあたり、そうか、政治家って人気商売なんだ、とあらためて思った。そう、選挙で誰を支持するか、というのは結局、好きか嫌いか、印象なのだ。だから、内閣支持率2割をきった麻生首相が歴代の首相に比してどれだけ劣っているか、といえば、理由をあげて、きちんと説明できる人は少ない。単に印象が悪い、というだけ。

小泉純一郎首相は、産経新聞FNN合同世論調査では、麻生氏より上位の人気を誇る政治家。でも、考えてみれば、今、麻生政権の対応が遅い、不足していると野党から批判を受けている派遣切り雇用対策の問題は、2004年の小泉政権時代の労働者派遣法改正がねっこにある。あのとき、派遣労働が新しい雇用スタイルなのだと、これぞ構造改革なのだという主張に、世論も納得したはずだった、よね。当時、日本にいなかった私はあまり、当時の世論の動向を把握していないのだけれど、そう聞いている。でも今、あのときの労働者派遣法改正を批判する人は結構多くて、舛添厚生労働相派遣法の見直しを主張している。

■というわけで、政策がいいか悪いかは、実は首相内閣の人気にはあまり関係ないようだ。私のまわりには、派遣法改正郵政民営化も結果的には失敗だった、と思っている人が多いが、小泉さんは好きだという人も多い。やっぱり、海外政治家と比べても見劣りしない、不思議なかっこよさがあった、と感じている。これも印象。

■そもそも政策の善し悪しなんて、一週間や二週間ではわからない。何カ月後か、何年後か。結果が出ているころには政権がかわっていることも。麻生政権が打ち出す経済景気対策については、定額給付金やり玉に挙がっているが、逆に言うと定額給付金以外は、ケチのつけどころがみつかっていない、ということかもしれない。

これほんとのやりとりなんだろか。

池田「今までのようにただ座って人の話を聞いている首相より、批判されようと、こうしてみようか、ああしてみようかと、ちょっと意見が出せるところが憧れ」

斎藤「でも漢字よめないよ」…。

漢字が読めないから」という理由で首相に悪印象を抱かない学生をいぶかしがる新聞社のお偉方。もしくは茶化すような口調だったのかも知れないな(活字からはその場の雰囲気は伝わってこないので)。彼女なりに政治家の評価を見定めようとしているのに「でも漢字読めないよw?」と茶々を入れているシチュエーション想像して吐き気がした。お前らよく「若者政治離れがどーたらこーたら」と偉そうなこと言えるよな、と。

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