2024-05-15

たぶん、幽霊ではなかったと思う

小学生の頃、住んでいた田舎には電灯が一切ない

トンネルがあって、小さい頃はそりゃ怖かったけど慣れてくると目を瞑ってでも歩けてしまった

短かったし。

で、ある日の夜中いつもみたいに懐中電灯もつけないでトンネルを歩いていたら、出口に女の人が立っていた。その時の私の身長が140cmぐらいだから20cmは高かった気がする

「君、もしかしてトンネル懐中電灯なしで歩いてきたの?」と聞くので

「そうだよ」と返したらびっくりして

「だめ!危ないか懐中電灯とかつけないとむ

って怒られたわけよ

それで面白くなった私はそれから懐中電灯なしでトンネルを歩いていた

その度に出口に女の人が立っていて、

毎回叱られたり、頭を叩かれたりした

不思議だったのが、トンネルを通る前に出口に女の人がいないかかめていないことが分かっているのに出口までたどり着くと立っている

逆に出口から入口まで歩いたら、それでも立っていた。まるで私がトンネルに来る時間を知っているみたいに。まあ当時、どうしょもない悪ガキだったし、出口についた瞬間、懐中電灯の光を女の人に当ててみたり、転んだ振りして心配させてみたりもしたっけ

それで、ある日いつも通りトンネルを歩いていると後ろから誰か歩いてくる音がした。

いつもの女の人かな?と思ったけど不気味な笑い事は明らかに男の人で、怖くなって走った

転んでも、出口を通り過ぎても走った

だけど、追ってくる人は早くてとうとう

農道でがっしり私は捕まってしまった

だけど、恐る恐る振り向いたらそこにはいもの

女の人がにんまり笑っていた

どうやら私が聞いた不気味な笑い声は女の人が

流していた音声で、ずっと歩いてたのは女の人だったらしい

「怖かったでしょ?これに懲りたらもう危ないことはやめなさいね」と飴をくれて女の人はどこか

歩いていった

それから帰省する度にそのトンネル懐中電灯をつけずに端から端まで歩いてみたけど

未だその人には会えていない

名前もどこに住んでるかも聞きそびれた

分かる事は背が高いことと叱られたらなんとなく

嬉しくなってしまうことぐらい

今年も会えなかったらひまわりひとつ、出口に

置いていくつもり。でももしかしたら…

こんな私をまた叱ってくれますか?

  • もしまたそのトンネルに行ったらね 次は君がそのお姉さんになるんだよ

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