2023-12-26

弱者男性に手を上げてしまった

娘は中学生で、難しい年頃なのは分かってる。

それでもクリスマスプレゼントをお願いしてくるのは、可愛いことだと思ってしまうんだ。

娘はゲーム機が欲しいと言った。

はっきり言って私は薄給だ。

一介のサラリーマンで、自分が有能だとは思わないし、だから親子三人かつかつながら何とか暮らしている。

娘が欲しいと言ったゲーム機は最新型のもので、なかなか値段が張った。

それでも頼ってくれたことは嬉しいし、クリスマスは今でも一緒に過ごしてくれるのも嬉しい。

子供は本当に、あっという間に成長する。

今のこの時が本当に貴重で、大切なことも知っている。

良い関係で居たい。

娘は小さい時、私からなかなか離れようとはしなかった。

甘えん坊な子だった。

失望させたくない。

共働きの妻と話して、買ってあげることにした。

クリスマスの夜、ケーキを食べた。ショートケーキ三つ。

それからプレゼント用の包装に包まれゲーム機プレゼントした。

娘は喜んだ。

その綻んだ顔を見て、ああ本当に良かったと思った。

妻と一緒に顔を合わせて笑った。

包装を破くように解いて、ゲーム機を見て、娘は少し首を傾げた。

どうかした?と妻が聞くと、娘は言った。

これ、中古じゃん。

は?なんで新品じゃないの?

途端、笑顔が消えた。

ごめん、新品は高くて…

娘は納得しなかった。

普通新品だよね。中古とかありえない。

妻を見ると震えていた。

何も言えなかった。

中古ならいらない。

うちって新品も買えないほど貧乏なんだ。

最悪。

その言葉を聞いた時、気付けば弱者男性の頬をぶっていた。

娘は喜んだ。

その綻んだ顔を見て、ああ本当に良かったと思った。

妻と一緒に顔を合わせて笑った。

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