2023-08-25

ジャンプ漫画ワンピースで、初期から一貫して語られる物語は「支配から解放」だ。

権力世界支配する中央政府世界政府)、その手足として正義を掲げながら、時に秩序のために民衆の命や尊厳犠牲にすることを厭わない海軍、力によって敵対勢力排除し、力なき民衆から自由尊厳を奪う海賊。どんなに誠実に正しく生きていても、力が無ければ踏み躙られる世界で、主人公たちは支配を退けるために力をつけて、力のない弱者に変わり支配者を殴り飛ばしていく。

そうすると最後に行き着くのは、最高の力をもって全ての支配者を退けた主人公が、自ら支配者の権利権力放棄することだ。これはもう物語の中で示唆されている。最後ライバルである黒ひげは「支配者に成り代わりたい」、恩人のシャンクスは「誰の支配も許さない均衡を保つ(次世代に引き継ぐ)」、陰の支配者のイムは「反逆者を排除し、支配継続する」目的を持つが、主人公海賊王という最終目的を「支配なんかしない、この海で一番自由なやつが海賊王だ」と定義する。

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