丸いお皿の一部が欠けてパックマンの口のようになっている。
でも、普段はそのことに気づくことはない。
さすがに、全部丸ごと覚えていないなんてことはない。
(あと数十年経てばそうなるのかもしれないが)
だいたい覚えてはいるのだ。
しかし、こんなところあったっけ?
という部分が何箇所か出てくる。
そして場合によっては、これどっちに行けばいいのだ?
とわかなくなる記憶の欠損箇所が現れたりする。
と疑うが、見覚えのある民家とか公園があるからそういうわけでもない。
つまり忘れたのだ。
歳をとってしまったのだ。
いま現在、毎日通る道を覚えていないとかそういうわけではないからだ。
しかし、そんなことはない。
確実に記憶は欠損する。
お皿は日々欠けていくのだ。