2021-03-09

Aさんと僕

彼女が「首を絞めて」っていったのは初めてそういう関係になって途中から自分の上にまたがってきて全部俺を支配するグラインドで腰を振ってきた時で顔から上を触るのを禁じられてた俺は無我夢中でその細くて白い首を絞めた。首に手をかけた瞬間からぎゅうぎゅうに俺を絞めつけてうねって力を入れる瞬間、全部の精液を吸い取るかのように痛いくらいに締め付けてきて、俺は果てた。唇の柔らかさも知らない。でも彼女の膣の中は俺の俺の精液を求めてずっとずっと痙攣し続けた。それ以来ついぞセックスするたびに首を絞めてしまうようになった。跡が残るくらい、彼女が欲すれば絞めてしまう。ベッドに入ってくる無防備無垢な肉体が触れてしまえば昔のことも思い出してどうしても欲情してしまうし、何より彼女がそういうセックスを求めていることを自分は知っている。俺じゃない誰かとセックスしたいことを知っている。

これで最後からさよならを言いに来た時、そのまま押し倒して普通恋人みたいに普通恋人ってどうやってセックスまで行くのかわからないけれどそういうのをしたくて彼女の唇以外の全部をなめてずっとキスしてずっとなめて触って優しく触ってそのたびに彼女が動いて感じているのがわかって泣きたくなって、いつものように何よりも固く貫いて、彼女はいつもよりもいつもよりもずっと熱くて泣いているみたいだった。

「好きだ」

全然、言えなかった言葉を言いながら彼女の首よりも上を触って手で遮られたけれど両手で両手を組んで腰がどうしてもずっとずっと動いてしまってズチュッズチュッ湿った音がずっと響いていて

ダメだよ」

彼女は泣いていてでも止まらなくて俺は頭を撫でた。

何よりも愛しくて。

「好きだ」

ダメだよ」

「好きだ」

「好きだ」

「好きだ」

全然まらなかった。

彼女は泣きながら悲鳴のような糸のようなか細い声を上げて痛いくらいに切なく締め付けて、果てた。

「好きだよ」

ダメだよ」

「でも好きなんだ」

でも好きなんだ。俺の胸の中で泣き続ける彼女を俺は大切にする。何よりも。誰よりも。

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