幼い頃、2日に一回は、すさまじく父に叱られた。
叱られると私は速攻で泣いた。
泣いていると父はさらに怒りを募らせ怒鳴る。
なんて卑しいんだと怒った。
そんなこと言われても泣きやめない。
私は私が可哀想で泣きやめない。
とんでもなく悪い人間なんだと思いながら
毎回3時間くらい泣いてた。
それを繰り返してたら4年生のときに
だれかを殺してしまっているはずだという想いに取り憑かれ
さらには、自分が猛毒の菌を撒き散らしてるという妄想も重なって
慄きながらずっと手を洗っていた。
30歳になったけど、
消えない。
子どもを産んだら殺めてしまうんじゃないかという思いが消えない。
歳をとって父はすっかり丸くなり、もう怒鳴ることはない。
やさしくなった父を私は恨むことはできない。
いったいどうしたらいいんだろう。