はてなキーワード: ローンチしましたとは
原文→Official Google Blog: A new approach to China
執筆者:David Drummond(SVP,Corporate Development・Chief Legal Officer)
他の著名な組織同様,我々も日常的に様々なサイバー攻撃に直面しています。12月中旬,中国から我々のインフラを標的にした非常に洗練された攻撃を検知し,結果としてGoogleの知的財産を奪われました。当初,非常に高度とはいえ単なるセキュリティ上の問題に見えたのですが,すぐにまったく異なる事件だと明らかになりました。
第一に,攻撃はGoogleのみを標的にしたものではありませんでした。我々の調査によって,インターネット,ファイナンス,テクノロジー,メディア,化学などを含む幅広い分野の,少なくとも20の他の大企業が同様に標的にされたことが明らかになりました。我々は現在これらの企業に通知する作業の途中にあり,関連する合衆国当局とも作業をしています。
第二に,私たちの持つ証拠によれば,攻撃者の第一の目標は中国人人権活動家のGmailアカウントにアクセスすることでした。現時点までの我々の調査によって,私たちはこの攻撃の目標は達成されなかったと確信しています。2つのGmailアカウントにアクセスされたようですが,アクセスはアカウント情報(アカウント作成日など),及び件名に限られており,電子メールの内容そのものにはアクセスされていません。
第三に,この調査の中から,今回のGoogleへの攻撃とは別に,合衆国,中国,ヨーロッパ在住の,中国の人権支持者のGmailアカウントに対して第三者が定期的にアクセスしていたことを発見しました。これらのアカウントへのアクセスはGoogleの情報漏えいによるものではなく,おそらくはフィッシング詐欺や,ユーザのコンピューター上のマルウェアによるものだと思われます。
私たちはすでに得られた情報をもとに,Googleとユーザの使用するセキュリティ向上のために,インフラとアーキテクチャを改善しました。個人ユーザに対しては,評価の高いアンチウィルスソフトとアンチスパイウェアソフトを実行し,OSのパッチをインストールし,Webブラウザをアップデートすることを推奨します。インスタントメッセージや電子メール内のリンクをクリックする時,またオンライン上でパスワードなどの個人情報を提供するようにもとめられた時は,常に警戒するようにしてください。こちらで私たちのサイバーセキュリティに関する推奨情報を読むことができます。このような種類の攻撃についてさらに知りたい方は,合衆国政府のレポート(PDF),Nart Villeneuve氏のブログ,GhostNetスパイ事件についてのこちらのプレゼンテーションを読むことができます。
私たちがこの攻撃についての情報を,この異例な方法で多くのみなさんに公開することにしたのは,私たちが掘り出した問題がセキュリティと人権に与える影響のためばかりではなく,この情報がさらに大きな言論の自由についてのグローバルな議論の核心をついているからです。過去20年間,中国の経済再編計画と中国市民の起業家精神によって,何億もの中国の人々が貧困を脱することができました。間違いなくこの偉大な国家は,今日の世界のさらなる経済発展と進歩の中心です。
私たちは,情報や開かれたインターネットへのさらなるアクセスによる恩恵が,検索結果への検閲に合意することによる私たちの不安よりも重要だと考え,2006年1月にGoogle.cnをローンチしました。その際以下のように宣言しました。「私たちのサービスに対する制限や,新しい法律を含む中国国内の状況を注意深く監視します。もしここに示された目標が達成出来ないと確信した場合は,中国へのアプローチの再考も躊躇しません」
この攻撃と明らかになった監視—さらに昨年を通じてのWeb上の言論の自由をより制限しようとする計画も含めて—によって,私たちは中国における私たちの業務の実行可能性について再検討すべきだとの結論に達しました。今後Google.cnの検索結果に対する検閲を継続しないと決断し,これから数週間をかけて,法の範囲内でフィルターなしの検索エンジンの運営が可能かという点について中国政府と話しあいます。私たちはこの決断によってGoogle.cn,もしかすると中国オフィスも閉鎖しなくてはならなくなる可能性が十分にあることを理解しています。
中国における業務を再考するというこの決断は途方もなく困難でした。また,私たちはこの決断がさらに幅広い結果を生む可能性も理解しています。この方針は合衆国内の幹部たちによって指揮されたもので,Google.cnに今日の成功をもたらすために信じられないほど働いてくれた中国国内の社員たちによる情報や関わりはなかったと明確にしたいと思います。私たちはこの非常に難しい問題を解決するために責任をもって最大限の努力をします。