智慧のある人は、問題が起こったとき瞬時に答えが出ます。全然考える必要がないのです。たとえば会社で問題が発生したとしましょう。社員たちが皆「どうしよう、どうしよう」と頭を抱えて混乱しているとき、智慧のある人はなんのことなく、「こうすればいいんじゃないか」と言うのです。みんなは、「あんたは全然真剣に考えていない。問題の重大さが分かっていない。いい加減なことを言うなよ」と腹を立てるかもしれません。でもよく見てみると、その答えはピッタリ適切なのです。智慧のある人は他の人のように考え込まなくても、「こうすればいい」と適切な答えが明確に出せるのです。必要なのはそれです。それが智慧です。問題が発生したとき、取り乱さずに、即座に答えを出せることが智慧なのです。考え込むことではありません。
では、なぜ考えても良い答えが出ないのでしょうか? それは、欲と怒りと無知で考えているからです。「考えている」と言っていますが、結局は貪瞋痴のなかでグルグル回転しているだけなのです。ですからいくら考えても適切な答えは見つかりません。それどころか、悩みや苦しみが増えるだけなのです。
この独特の文体(内容もだが)、アルボムッレ・スマナサーラさんでしょ