https://kakuyomu.jp/users/yasei-jidai
過去の歪みはあっても、まともに生きてきた人間がすこしずつ、少しずつおかしくなる。
カクヨムで試し読みをして引き込まれて、すぐ手元に著書を取り寄せた。読んでみたら半分も試し読みにしていた角川のすごさ。そして一番面白い真ん中でお試しはこれまで、と言われていたのなら読みたくなるのは仕方あるまい。
違和感や不審を「いい大人が怖がるなんて」と強がるうちに、取り込まれていく。脅す方と助ける方と助言する方、すべてがひっくり返されて「えっ?!」って声が出たくらい。
「人が怖い」ホラーではないはずだったのに、結局は人が怖くなる。
冲方丁氏のSFは学生時代に手を出して、頭のよろしくない私には難解さが買ってしまったのだけれど、本作ではSFで描かれるような緻密な説明が主人公の焦燥や恐怖として浮き出ているような気がしなくもない!
すごいこわかった…(小並感)