■体温の水
朝の三時に起きてお風呂に入った。
家族が使った残り湯はすっかり冷めていて、湯船の温度は体温くらい。
熱さも冷たさも無い水からは温度っていう感触が失われていて不思議な感じがする。
顔を上げて天井を見てると、おなか周りがスッとして何もない浴槽にただ収まっているだけのような気分になる。
水面近くの上の方ではまだ微かに温かさを感じて、手を沈めていくと浴槽の半分を過ぎたところで急にチューニングがあったかのように質感を失う。
何もない空間に感じるのに体を動かすと水の抵抗がふわふわと現れる。
体温の水は見た目だけでなく本質的に透明というものに限りなく近いなぁとか思ったり。
視線を下に戻すと、お風呂の水は澄み切っていて、水底にひっそりと佇むちっさなちんぽがよく見えた。
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