わたしたちはとても仲が良く、気があったけれども、未来に関するビジョンということに関して、全く異なる方向性を向いていた。
わたしは故郷へ帰りたいと言って、あなたはここに住み続けたいと言った。
いまでも、何か異なる道はなかったのだろうかと思う。あなたはいまでもわたしにとって特別な存在で、毎日のように思い返す。けれどもいつも同じ結論に至る。おそらくあのまま続けていても、わたしはどこかで心が折れていただろう。
わたしは様々なことで心をしくじらせていて、あなたはそれがだらしないと怒った。わたしはそれが悲しかった。
ただいたわって欲しかった、もう少し。もう少しだけ寄り添って欲しかった、わたしの心に。父が死んだとき、もう少しだけ、黙ってそばにいて、背中をさすって欲しかった。ただ、それだけだったと思う。