高校生のころ、帰宅途中に川で溺れている子供を見つけたことがあった
何かの本で読んだ「溺れて藻掻いている人を救助しようとするとこちらもひきずり込まれて双方が溺れることになり危険です」という内容が急に脳裏に浮かんだ
大声を出して周囲に助けを求めるなり何か掴まれるものを探すなりすればよかったのだが、「溺れて藻掻いている人は助けてはいけない」という考えが
脳内を占めてしまっていて、「助けてはいけない、助けてはいけない」と思いながら溺れる子供をじっと見ていた
たまたまそこにおっさんが通りかかって溺れていた子供は無事救助されたのだが、おっさんに「なんで助けようとしないんだ 見殺しにする気だったのか!」と罵倒された
その話は自分の両親にも伝わり、「溺れている子供を見ているだけで助けも呼ばない何もしないというのは人としておかしい」と散々怒られた
今度溺れている子供を見つけたらどんなに藻掻いていようがすぐに飛び込んで助けようと考えているのだが、残念ながらそれ以降川で溺れる子供には一度も遭遇していない