「ずっと、大切にしてね、永久保証の私だから」
そんなことを言っていた彼女が、がんであっさり死んでしまった。
いつも笑顔でそばにいてくれた彼女。
お互い嘘をつくのはやめようねっていってたじゃんか。ばかやろう。
葬式のあと、彼女の担当医から連絡があった。彼女の遺品を渡したいと。
「彼女から死んだらこれを渡してくれと頼まれてね。
正確には遺品ではなく、遺体というべきか、いや生きているので遺体とも違うが。」
そう、受け取ったのは彼女のがん細胞だった。
がん細胞は分裂制限がぶっ壊れた細胞だ。
正常な細胞は状態に応じて増えるのをやめるが、がん細胞は栄養を与える限り増える続ける。
「永久保証の私だから」
彼女の言葉に嘘はなかった。
Permalink | 記事への反応(1) | 15:08
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産廃を受領するな