2018-09-13

しかし、ラノベ表紙の、女体表現もこのへんでよすんだね。これ以上は、世間が、ゆるさないからな」

世間とは、いったい、何の事でしょう。人間複数でしょうか。どこに、その世間というもの実体があるのでしょう。

けれども、何しろ、強く、きびしく、こわいもの、とばかり思ってこれまで生きて来たのですが、しかし、堀木にそう言われて、ふと、

世間というのは、君じゃないか

 という言葉が、舌の先まで出かかって、堀木を怒らせるのがイヤで、ひっこめました。

(それは世間が、ゆるさない)

世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)

(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)

世間じゃない。あなたでしょう?)

(いまに世間から葬られる)

世間じゃない。葬むるのは、あなたでしょう?)

 汝は、汝個人のおそろしさ、怪奇悪辣、古狸性、妖婆性を知れ! などと、

さまざまの言葉が胸中に去来したのですが、自分は、ただ顔の汗をハンケチで拭いて、

「冷汗、冷汗」

と言って笑っただけでした。

  • 空気が読めないアスペってその文章大好きだよな

  • 結局この太宰メソッドに尽きる 「世間一般」とか「空気」とかいう者はその実体を説明できず、証明もできず、 ただただ相手を「空気が読めない」と罵ることしかできない。

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