渡辺美樹「『差別』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。差別されてると思ってしまうから差別になるんですよ」
村上龍「?」
渡辺美樹「扱いに不満を覚えるから差別になるんです。当然だと考えれば差別じゃ無くなります」
村上「いやいやいや、順序としては『差別されてる→不満を覚える』んですよね?」
村上「?」
渡辺美樹「当然だといわせるんです。鼻血を出させてブッ倒れさせて、とにかくその扱いこそ正当だと言わせる」
村上「正当だと言わせる」
渡辺美樹「そうすればその人はもう差別とは口が裂けても言えないでしょう」
渡辺美樹「差別じゃなかったって事です。正当な扱いだと言ったのだから。『差別』という言葉は嘘だった」
村上「いや、言ったんじゃなく言わせたって事でしょ。鼻血が出させて倒れさせて」