壊滅した一つの都市、数年後には現実を模した物語が跳梁跋扈した。
放射能、大津波、人心にトラウマを植えつければ売れた。
現実を乗り越えるという名目でそれらが持て囃され、人々は何の疑いもなく絶賛した。
今思えばあれは反動形成の一種だ。
現実では到底打ち勝てない絶望、不安に虚構では簡単に勝利出来た。
あの夜の暗さを、人は簡単に忘れていく。命の脆さを、日常の隅へ追いやっていく。
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