2015-12-20

こともなげに昔付き合ってた彼女がと男は言った

彼にとって昔の恋人の話をするのはごく普通ことなのだろう

恋人いたことは誰にとっても当たり前で、それも昔の話なら変に隠すほどの話でもないと

けれど私は違った

私はろくに異性と付き合ったこともなく

かろうじてあるのは学生時代のごく短期間の苦々しい記憶だけ

彼に私はいったいどう見えているのか、喪女オーラが見えないのだろうか

どこかにもやもやしたものを感じながら、なんと言っていいのかよく分からない

単純な嫉妬とも違う

人として違うんだなあという感覚から来る言いようのない何か

動揺もせず適当な相槌を打ちながら、自分を少し遠くから眺めるような感じがした

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