中学の頃発表会で頭が真っ白になった。直前に話す人がセリフを変えていて思わず「え?」ってなった途端、突然頭からセリフが抜け落ちた。頭に何も浮かばなくなり、何も言わない私に対して時間はどんどん過ぎていく。何か言わなきゃ言わなきゃという焦りがどんどん出てくるのにどんなことを話そうとしていたかまるで思い出せず、なぜこんな状況なのか、今何をやっているのか、どうして私はここにいるのか、何もわからなかった。頭の中は停止しているのに、その間の焦りや恐怖はすごかった。漫画でよくある頭が真っ白になるってこういうことだったんだな。胸ポケットにカンペがあることも忘れ、10秒以上黙りこくってしまった。周りから浴びる冷たい目。同情も含んだその目は、私に強いトラウマを植え付けた。発表会の後で友達に励まされたが、正直何を言われたか覚えていない。結局その発表会で私は何も話すことができなかった。
あれから4年経った今でも人前で話すことができない。親戚でも無理だ。どうすれば克服できるのだろう。人前でハキハキ話している人を見ると、強い心を持っているな、と感心してしまう。